三浦市観光解説板その12

「白秋文学コース 白秋旧居跡

恍惚とよろめきわたるわだつうみの
鱗の宮のほとりにぞ住む

白秋一家は大正二年四月下旬、東京からこの向ヶ崎に転居してきました。

「私等の新居はこの三崎向ヶ崎の浜にあった。時俗呼んで今でも向ヶ崎の異人

館と云ふのがそれである・・・」と『雲母集』にあります。

白秋旧居が異人館と呼ばれた理由は、旧名主の家を長崎領事をつとめた老フラン

ス人が買取って所有し、家屋は日本風であったが玄関や廊下の欄間には黄とか紅

のガラスがはめられていたからです。

この家は大正六年高潮の被害をうけて取りこわされました。

今は無き我家の跡に櫓かけて
磯の良夜を子ら太鼓うつ

大正十二年二月一日、前田夕暮と連れだって白秋はこの旧居跡を訪れたのでした。

戦後その跡地の殆んどが道路となっています。

石崖にこども七人腰かけて河豚を
釣り居り夕焼小焼

と詠んだ。庭前小景の入江も埋立てられましたが、この公園東側の松と磯岩に当時を

偲ぶ手がかりを確認することができます。

白秋はこの向ヶ崎時代の情景を描写した「漁村の秋」という小品を書いています。

異人館生活六か月、家族は東京へ、白秋夫妻は見桃寺へと移っています。」

 

この解説板があるのは向ヶ崎公園です。

この公園では上野樹里主演の映画「亀は意外と速く泳ぐ」のロケも行われました。

ロケの為に自治体の公園に人が潜れるほどの穴を掘ったと、業界では有名になりました。

 

 

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