三浦市観光解説板その8

「白秋文学シリーズ・諸磯

この一帯は、人文、自然科学の資料として不思議と堅いものばかりが残ってい

ます。諸磯式土器の出土。大地震による諸磯隆起海岸など。この堅い諸磯の風

土に詩情に富んだ文学作品を遺したのは、白秋でした。

歌集「雲母集」の姉妹篇三崎詩集「畑の祭」は白秋の詩風の一大転機を画した

詩集であり、その素材となったのが、この辺りです。浜諸磯の新明社の祭礼を題

材としたことで「畑の祭」は諸磯の詩といえます。その「畑の祭」は次の一文からは

じまります。

「大正二年九月某日、相州三崎は諸磯新明宮祭礼当日の事、上層に人形、下段

にお囃子の一座を乗せた一台の山車は漁師と百姓とを兼ねた素朴な村人の手に

曳かれてゆく。

先ずその山車は鎌倉街道から横にそれて、一小岬の突鼻の 神明宮まで、黍畑

や粟畑の高い丘道をうねってゆく。(以下略)」

この道が祭りに山車を曳き、新明社へと至る祭の道です。白秋はその祭のお囃子と

して、長篇の詩を作りました。

「やれやあ引、さの、せえい、せえい、 せええい、三浦三崎は女の夜業、

男後生楽寝てまちる、ようい、ようい、 よやさのせえい。

ええ、そりや、なあ、秋が来たぞよ、 三崎諸磯の段々畑から百舌が出たで、

えええ、や、ほろほにや、や、ほろほ(以下略)」

と三十六行に及び、畑の作物や、動物にまで祭人の心を通わせ祭の気分を盛り上げ

るように、描写しています。」

 

この看板があるのは油壺入口から三崎港に向けて走ると、左手にローソンがある交差

点を右に曲がります。

しばらく行くと左手に「渡辺酒店」があります。

そのやや斜め向かいにあります。

ちなみにこの渡辺酒店でしか扱っていない麦焼酎があります。

「子桜姫」といってさっぱりしていて呑み口がいい。

私も愛飲しています。

 

 

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