外壁塗装や屋根塗装の見積書を見ると、
「アクリル塗料」
「ウレタン塗料」
「シリコン塗料」
といった言葉が出てくることがあります。
塗装業者にとってはよく使う言葉ですが、一般の方からすると、
「何が違うの?」
「シリコンの方が良いって聞くけど本当?」
「安い塗料を選ぶと失敗するの?」
と迷ってしまうのは当然です。
この記事では、塗装知識集の第1回として、外壁塗装でよく比較されるアクリル・ウレタン・シリコン塗料の違いを、できるだけ分かりやすく解説します。
まず結論:現在の住宅塗装では「シリコン系」が標準的な選択肢になりやすいです
最初に結論からお伝えすると、現在の一般住宅の外壁塗装では、シリコン塗料、またはシリコン系の塗料が標準的な選択肢として提案されることが多くあります。
理由は、価格と耐久性のバランスが取りやすいからです。
もちろん、アクリル塗料やウレタン塗料が悪いわけではありません。
ただし、住宅全体の外壁や屋根を長く守ることを考えると、現在ではシリコン系以上の塗料を選ぶケースが多くなっています。
大切なのは、塗料名だけで判断するのではなく、
- どこに塗るのか
- どのくらい長持ちさせたいのか
- 予算とのバランスはどうか
- 家の立地や劣化状況に合っているか
を考えて選ぶことです。
塗料の違いは、主に「樹脂」の違いです
塗料は、ただ色を付けるためのものではありません。
外壁や屋根の表面に塗膜を作り、紫外線・雨風・湿気・汚れなどから建物を守る役割があります。
その塗膜の性能を大きく左右するのが、塗料に含まれる樹脂です。
簡単に言うと、樹脂は塗膜の“骨組み”のようなものです。
この樹脂の種類によって、
- 耐久性
- 汚れにくさ
- 紫外線への強さ
- 価格
- 次の塗り替えまでの目安
- 向いている場所
などが変わります。
今回取り上げるアクリル・ウレタン・シリコンも、この樹脂の違いによる分類です。
アクリル・ウレタン・シリコンをざっくり比較
まずは、3つの違いを簡単に整理します。
| 種類 | 特徴 | 価格感 | 耐久性の傾向 | 現在の住宅塗装での使われ方 |
|---|---|---|---|---|
| アクリル塗料 | 価格を抑えやすい | 安め | 短め | 外壁全体では主流では少なめ |
| ウレタン塗料 | 密着性・柔軟性がある | やや安め | やや短め | 付帯部などで使われることがある |
| シリコン塗料 | 価格と耐久性のバランスが良い | 標準的 | 標準的 | 一般住宅で選ばれやすい |
ただし、これはあくまで一般的な傾向です。
同じ「シリコン塗料」でもメーカーや製品によって性能は違いますし、下地処理や塗り回数によっても仕上がりや耐久性は変わります。
アクリル塗料の特徴
アクリル塗料は、昔から使われてきた塗料の一つです。
価格が比較的安く、扱いやすいという特徴があります。
一方で、現在の住宅外壁塗装では、上塗りの主力として使われることは少なくなっています。
理由は、ウレタン塗料やシリコン塗料と比べると、耐候性・耐久性の面で不利になりやすいためです。
アクリル塗料のメリット
アクリル塗料のメリットは、まず価格を抑えやすいことです。
短期間だけきれいにしたい場合や、一時的な塗装では選択肢になることがあります。
また、発色が良いものもあり、用途によっては使いやすい塗料です。
アクリル塗料のデメリット
一方で、住宅の外壁や屋根を長く守るという目的では、耐久性が短めになりやすい点に注意が必要です。
初期費用は安く見えても、塗り替え時期が早く来れば、長い目で見ると費用がかかる場合があります。
アクリル塗料が向いているケース
アクリル塗料は、現在では住宅全体の外壁塗装というより、短期的な使用や一部用途で使われることが多い塗料です。
「とにかく安いから」という理由だけで選ぶのではなく、どのくらいの期間きれいに保ちたいのかを考えて判断することが大切です。
ウレタン塗料の特徴
ウレタン塗料は、密着性や柔軟性に優れた塗料です。
以前は外壁塗装でもよく使われていましたが、現在ではシリコン塗料などに主役が移りつつあります。
ただし、ウレタン塗料には今でも良さがあります。
特に、細かい部位や曲面、木部・鉄部・雨樋などの付帯部では使いやすい場面があります。
ウレタン塗料のメリット
ウレタン塗料は、柔軟性があり、細かい部分にもなじみやすいのが特徴です。
たとえば、
- 雨樋
- 破風板
- 木部
- 鉄部
- 細かい付帯部
などでは、現在でも選択肢になることがあります。
また、価格も比較的抑えやすく、施工箇所によっては使い勝手の良い塗料です。
ウレタン塗料のデメリット
外壁全体や屋根全体に使う塗料としては、シリコン塗料やフッ素塗料などと比べると耐久性は短めになりやすい傾向があります。
そのため、住宅全体を長く守りたい場合には、現在ではシリコン系以上の塗料を選ぶケースが多くなっています。
ウレタン塗料が向いているケース
ウレタン塗料は、外壁全体というよりも、付帯部や細かい部位に向いている場合があります。
「外壁はシリコン系、付帯部はウレタン系」など、場所ごとに使い分ける考え方もあります。
ただし、実際には下地の状態や求める耐久性によって判断が変わります。
シリコン塗料の特徴
シリコン塗料は、現在の住宅塗装でよく使われる代表的な塗料です。
価格と耐久性のバランスが良く、外壁塗装の標準的な選択肢として提案されることが多い塗料です。
「どの塗料を選べばいいか分からない」という方にとっても、比較の基準になりやすいグレードです。
シリコン塗料のメリット
シリコン塗料の一番のメリットは、費用と性能のバランスです。
極端に高額になりにくく、それでいて住宅の外壁や屋根を守るための耐久性も期待しやすいので、一般住宅では選ばれやすい塗料です。
また、各メーカーから多くのシリコン系塗料が出ているため、外壁用・屋根用・水性・弱溶剤など、建物や施工箇所に合わせて選びやすい点も特徴です。
シリコン塗料のデメリット
シリコン塗料にも注意点があります。
それは、「シリコン」と書いてあれば、どれも同じ性能というわけではないことです。
同じシリコン塗料でも、
- 水性か油性か
- 1液型か2液型か
- 外壁用か屋根用か
- 下塗り材との相性
- メーカーや製品ごとの設計
によって性能は変わります。
そのため、「シリコンだから安心」と名前だけで判断するのではなく、どの製品をどの仕様で施工するのかを見ることが大切です。
シリコン塗料が向いているケース
シリコン塗料は、費用を極端に上げず、ある程度の耐久性も確保したい場合に向いています。
三浦市・横須賀市の一般的な戸建て住宅でも、バランスの良い選択肢になりやすい塗料です。
「安い塗料=悪い」ではありません
ここまで見ると、アクリルよりウレタン、ウレタンよりシリコンの方が良いように感じるかもしれません。
確かに、住宅全体の塗り替えでは、耐久性の面からシリコン系以上が選ばれることが多くあります。
しかし、安い塗料がすべて悪いわけではありません。
たとえば、
- 数年後に建て替えを予定している
- 売却前に見た目を整えたい
- 一部だけ補修したい
- 長期耐久より初期費用を重視したい
という場合には、必要以上に高い塗料を選ばなくても良いケースがあります。
大切なのは、目的に合っているかどうかです。
「高い塗料=必ず長持ち」でもありません
反対に、高い塗料を選べば必ず安心というわけでもありません。
どんなに良い塗料でも、
- 高圧洗浄が不十分
- 下地処理が甘い
- ひび割れや傷みを直さずに塗っている
- 塗布量が足りない
- 乾燥時間を守っていない
- 下塗り材が合っていない
という施工では、本来の性能を発揮できません。
塗装は、塗料そのものの性能だけでなく、下地処理と施工品質が非常に重要です。
三浦市・横須賀市で塗料を選ぶときの注意点
三浦市や横須賀市は、海に近い地域が多く、潮風・湿気・塩分の影響を受けやすい環境です。
そのため塗料選びでは、単純な価格や耐用年数だけでなく、
- 海風が当たりやすいか
- 日当たりが強い面か
- 北側に苔やカビが出やすいか
- 鉄部のサビが出ていないか
- 外壁材や屋根材との相性はどうか
- 下塗り材は適切か
といった点も大切になります。
特に海沿いの家では、外壁だけでなく、雨戸・戸袋・手すり・鉄骨階段・ベランダ金物などの付帯部も一緒に確認することが重要です。
見積書を見るときのチェックポイント
塗料の種類を見るときは、次の点も確認してみてください。
1. 塗料名だけでなく「どこに使うか」
同じシリコン塗料でも、外壁用と屋根用では求められる性能が違います。
見積書では、外壁・屋根・鉄部・木部・付帯部ごとに、どの塗料を使うのか確認しましょう。
2. 下塗り材が書かれているか
上塗り塗料ばかりに目が行きがちですが、下塗り材も非常に重要です。
下地と上塗りをしっかり密着させる役割があるため、ここが合っていないと仕上がりや耐久性に影響します。
3. 塗り回数が明記されているか
一般的な外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの3工程で仕上げることが多くあります。
塗料名だけでなく、何回塗るのかも確認しておきましょう。
4. 価格差の理由を説明してもらえるか
アクリル、ウレタン、シリコンでは価格差があります。
ただ「高い・安い」だけでなく、なぜその塗料を提案しているのか説明してもらうことが大切です。
まとめ|アクリル・ウレタン・シリコンは「価格と耐久性のバランス」で考えましょう
アクリル・ウレタン・シリコン塗料の違いを簡単にまとめると、次のようになります。
- アクリル塗料は、価格を抑えやすいが耐久性は短め
- ウレタン塗料は、柔軟性や密着性があり、付帯部などに使いやすい
- シリコン塗料は、価格と耐久性のバランスが良く、住宅塗装で標準的に選ばれやすい
ただし、塗料は名前だけで良し悪しが決まるものではありません。
建物の状態、下地、立地、海風や湿気の影響、施工方法によって、最適な塗料は変わります。
有限会社浅葉塗装工業所では、三浦市・横須賀市を中心に、外壁や屋根の状態を確認したうえで、建物に合った塗料と施工仕様をご提案しています。
「見積書に書いてある塗料の違いが分からない」
「シリコン塗料で十分なのか相談したい」
「安い塗料と高い塗料の違いを聞いてから決めたい」
という方も、お気軽にご相談ください。
現地調査・お見積りは無料です。
次回予告
次回は、より耐久性を重視した塗料として、ラジカル制御型塗料・フッ素塗料・無機塗料の違いについて解説します。
「高耐久塗料は本当に必要なのか?」
「フッ素と無機は何が違うのか?」
という点を、分かりやすく整理します。
引用元・参考リンク
日本ペイント|外壁用塗料
https://www.nipponpaint.co.jp/products/building/exterior-paint/
関西ペイント|建築用塗料 塗装仕様選定ガイド
https://www.kansai.co.jp/products/decorative/saske/shinsetsu/3/
ロックペイント|建築用塗料
https://www.rockpaint.co.jp/architecture/index.php
